排出ガス二酸化炭素及びその生物起源分画

  • 燃料の種類によって、排出ガスは生物起源CO2を含有している可能性があります
  • 生物起源CO2、カーボンニュートラル排出ガスCO2は、様々な規制・プログラムにおいて温室効果ガス排出量から差し引くことができます
  • ベータ・アナリティック社は二酸化炭素排出ガスや固体燃料のASTM D6866試験を提供いたします。 ASTM D6866試験では固体燃料や燃焼排出ガス中の生物起源CO2比率を測定します

ASTM D6866及びD7459 – 排出ガスCO2試験のための標準規格

gas bag for ASTM D7459

ASTM D6866試験は、固体燃料やその排出ガス中に存在する「古い炭素」(化石起源炭素)に対する「現代の炭素」(生物起源炭素)の割合を決定するための標準規格です。 その手法は放射性炭素年代測定と同じです。 都市廃棄物、廃タイヤ、下水汚泥、ごみ固形燃料等の現代炭素を含む燃料は、木材、紙、動物や植物起源のバイオマスを含有しています。 プラスチックなどの石油由来製品や石炭は非常に古い化石起源の炭素を含有しています。 ASTM D6866試験によって現代炭素(生物起源炭素)の含有比が測定可能です。  ASTM D6866では、化石起源物質には存在せずバイオマス中に存在する炭素の同位体(Carbon 14)を測定します。

ASTM D7459,はASTM D6866試験のための排出ガスのサンプリング方法の標準規格です。 定常燃焼施設からCO2を採取するためには気体バックが必要です。

エネルギー多消費型産業における排出ガスCO2

排出ガスのほとんどは二酸化炭素です。 燃焼される固体燃料によりますが、この排出ガスCO2は生物起源分画またはバイオマス分画を含みます。 例えば、セメント工場では製品の製造のために必要なエネルギーを得るために、都市廃棄物(MSW)や廃タイヤを燃焼します。 バイオマスであるMSWや廃タイヤが燃焼すると 生物起源CO2 が排出されます。 一方で化石起源廃棄物は、非生物起源CO2を排出します。バイオマスと石炭を混合燃焼させる施設の場合も同じです。 燃焼される燃料のバイオマス部分が生物起源CO2を排出します。

近年北米、ヨーロッパでの規制に鑑みて、毎年報告が義務づけられている温室効果ガス排出量から生物起源CO2を差し引くことができるため、各企業は排出ガスCO2中の生物起源CO2量を知る必要があります。 米国環境保護庁 では、燃料としてMSWを燃焼、また化石起源燃料とバイオマスを混合燃焼している施設に、非生物起源CO2と区別して生物起源CO2の報告義務を課しています。

排出ガスCO2試験が必要とされる規制

排出ガスCO2試験を義務づけている規制機関、政府間組織のなかでも特に重要な米国EPAでは、CO2を25000トン以上排出する企業に温室効果ガス(GHG)を毎年報告することを義務づけています。 またヨーロッパでは、 欧州連合域内排出量取引制度 への参加を希望する企業はカーボンクレジットを獲得するために、排出ガスCO2の測定が義務づけられています。 米国、カナダの 西部気候イニシアチブ では、報告規約の一環として、排出ガスCO2試験を義務づけています。 気候レジストリーやカリフォルニア大気資源局(AB32) を含むその他の組織でも排出ガスCO2試験を義務づけています。

当ウェブサイトに記載された規制に関する概要は こちらをご参照ください。

ベータ・アナリティック社による固体燃料または排出ガスCO2の生物起源含有量の測定

ベータ・アナリティック社(ISO/IEC 17025:2017認証取得)では、ASTM D6866試験のための排出ガスCO2または固形燃料を試料として受け入れております。 また同規格のための様々な試料種にも対応しております。 ASTM D6866試験では試料をCO2、その後グラファイトへ変換するために固体、液体、気体試料の分析が可能です。 ASTM D6866試験および試験結果に関する詳細は こちらをご参照ください。