欧州標準委員会:CEN(Comite Europeen de Normalisation :European Committee for Standardization)は2006年に廃棄物固形燃料のバイオマス起源炭素決定に関する標準規格を発表しました。 CEN/TS 15440では、 選択溶解法, )、マニュアルソート法、還元法に関する概要を述べています。
廃棄物固形燃料のための標準規格の作成に関与しているCEN Working Group 343では、標準規格(2006年版)の改訂版であるprCEN/TS 15440の開発が現在最終段階です。 prCEN/TS 15440では還元法に関しては削除され、SRFのバイオマス起源炭素濃度または生物起源炭素濃度決定のための炭素14分析法に基づいた3つの分析法が加えられました。 SRFの炭素14濃度は、比例蛍光法(Proportional Scintillation Method:PSM)、ベータイオン化法(Beta Ionisation:BI)、加速器質量分析装置(AMS)により測定されます。 prCEN/TS 15440では生体起源炭素含有量からバイオマスエネルギーへの換算方法例も記載されています。
選択溶解法(SDM)は、硫酸および過酸化水素中でのバイオマス反応にもとづいた分析法です。 SRFサンプル中に硫酸に不溶なバイオマス成分を含有する、または硫酸に溶解する化石起源成分を含有している場合には、この方法は利用できません。
マニュアルソート法は、目視検査が必要となります。そのためSRF成分が細かく切断または圧縮されている場合には利用できません。
還元法は、SRF中のバイオマスの発熱量および非バイオマス成分の発熱量を利用した計算解析に基づいています。
CEN 15440の測定限界のために、炭素14分析法を利用してバイオマス起源炭素決定に対応した技術報告書:CEN/TR 15591の開発が始まりました。 この技術報告書に続き、2008年に が発表されました。
は、SRFのバイオマス起源炭素決定に放射性炭素測定法を利用していると点で ASTM D6866 と類似しています。 現在 欧州連合排出量取引制度:European Union Emission Trading Scheme で、ごみ廃棄物燃料のモニタリングにが利用されています。
CENでは(a)重量や発熱量によりバイオマスを決定する標準方法として SDMを、(b)炭素濃度によりバイオマス含有量を決定する際は放射性炭素年代測定法を推奨しています。