固体・液体・気体サンプル中の全有機炭素(TOC)または全炭素(TC)分画に含まれるバイオマス由来炭素を測定することにより、サンプル中のバイオベース炭素・バイオジェニック炭素を定量することができます。バイオベースとバイオジェニックは 、再生可能な炭素を含む物質と定義されていますが、一般的には、バイオベースはバイオジェニック起源(生物起源)の製品を定義するために使用されます。しかしこれらの用語はしばしば互換的に使用されます。
TOCはバイオベース産業にとって標準的なレポートフォーマットです。一般的に、フィラーやバインダーとして使用される石灰石、ドロマイト、その他鉱物由来炭素などの炭酸塩は放射性炭素をほとんどもしくはまったく含んでいないので、無機炭素はバイオマス由来という概念から除外されてきました。現行のASTM D6866規格の定義では、バイオベース製品はTOC分画のみを対象とします。
一方、TCはバイオ燃料、排出ガス、セメントなどの試験によく使用されます。これらの産業では、使用している材料、工程の温室効果ガスへの総寄与率が問題であるため、生物起源分画と化石起源分画の両方を報告する必要があります。これは、産業が現代の炭素循環(カーボン・フットプリントなど)にどれだけの影響を与えているかを決定するために重要な試験です。化石燃料起源の排出を包括的に考慮する必要があるため、製品/工程のライフサイクルにおける複数の段階での試験が必要とされます。
最終更新:2024年1月