米国植物協議会(American Botanical Council:通称「ABC」)による最近の掲示板では、ウコン(ターメリック)市場に関する情報、安全性に関する考慮事項、および科学的分析とともに、ターメリックが直面している重大な偽和問題に焦点が当てられました。ウコンの偽和は1970年代に最初に報告され、その著者のEzra Bejar博士は、次のようにまとめています。「この植物種の偽和(天然物質以外を使用し粗悪品を作る手法)は、経済的インセンティブに駆り立てられ、大規模で複雑かつ他因子から発生した事象です。」
ウコンは、栄養補助食品として近年人気が高まっています。これは主にそれが含む活性クルクミノイド、特にクルクミンによるもので、抗酸化作用や心血管疾患の予防などの健康上の利点があると報告されています。特にウコンとクルクミンのサプリメントの需要が高まっているため、こうした製品には経済的に理由で石油由来の粗悪品を使用される場合が往々にあります。
1つの偽和方法は、天然の抽出クルクミンの代わりに合成石油由来のクルクミンを使用することである。合成クルクミンは3分の1の価格で販売されている場合もあり、金銭的に大きなメリットがあります。
同掲示板では、炭素14試験法は植物由来の物質と石油由来の物質を正確に区別できるため、この種の偽和を検出する最も効果的な方法であると述べています。 Bejar博士によると、「この分析技術の助けを借りることで、業界の試験所で市場における合成クルクミンを含むサンプルを検出することができるようになる。つまり、これは合法的な戦いやウコンの偽和の再定義につながっている」。
ウコン粉末およびクルクミンサプリメント中の天然成分と合成成分の比率を決定するために使用できる基準は2つあります – ASTM D6866およびISO 16620-2 8.3.2:全炭素(TC)または全有機物の割合としてのバイオベース炭素含有量カーボン(TOC)。
メタニルイエローやクロム酸鉛などの合成着色料も、ターメリック特有の黄色を真似て偽和しているといえるでしょう。こうした着色料は業界にとって大きな関心事です。同掲示板によると、前述の着色料の添加は安全上のリスクをもたらす可能性があり、これらの成分は国際的な規制当局によれば食品着色剤として認められていないとのこと。
その他、広く知られているウコンの添加物としては、クルクミンを含む他のウコン種、キャッサバのようなデンプン、タルクまたはチョークパウダーが含まれます。
上記のような物質を検出するためには、様々な分析技術を組み合わせ、広範囲に渡って偽和を検出できる方法が必要となります。また、こうした多岐に渡る技術が存在する事実は、ウコン製品およびクルクミンサプリメントのための厳格な品質保証の複雑さおよび重要性を強調しています。
ISO/IEC 17025認定試験所Beta Analyticでは、100%天然由来であると主張する製品における合成石油由来の不純物混入を検出するための高品質な炭素14分析試験を提供しています。米国フロリダ州マイアミを拠点とするラボにてサンプル受領から通常5〜7営業日で結果を提供しています。 またBeta Analyticは、お客様のご要望に応じて、ASTM D6866またはISO 16620-2の国際規格に従って結果を報告します。
参照:
E. Bejar, 2018, Turmeric (Curcuma longa) Root and Rhizome, and Root and Rhizome Extracts, American Botanical Council, (accessed June 2018).