「天然由来」「自然派」「ナチュラル」・・・
環境や人体に安全なイメージをつけてくれるこうした言葉。最近、よく見かけませんか?
化粧品や食品業界でも、こうした言葉をつけて販売している製品の数は増え続けています。
しかし、何をもって「天然由来」「自然派」「ナチュラル」と言っているのでしょうか?
実は、「ナチュラル」(天然・自然を含めて、以下「ナチュラル」と表現します)という言葉に対する明確な規制がないため、本当に「ナチュラル」とは言いがたい製品も「ナチュラル」と表示していることがあります。
ユーロモニター社の調査によると、多くの消費者は、何をもって「ナチュラル」なのかよくわかっていなくても、「ナチュラル」の表示を信頼してしまうという結果がでました。つまり、本物のナチュラルプロダクツを扱う企業にとっては、製品の信頼性を確保するため、表示を保証する基準を消費者に明瞭に伝えなければ、他の「ナチュラル」を装った製品との差別化ができないということになります。
同社の調べで、「ナチュラル」と表示してあること=(イコール)製品が化学物質・人工添加物が入っていないと消費者は認識していることがわかりました。
きちんとした試験方法で、この認識を裏付ける証拠を製品に付けることで、消費者の製品に対する「安全・安心」のイメージを高め、ブランド力をUPすることが可能です。
多くの場合、
・製品そのものが天然かどうか
・製品が加工されているかどうか
の2つが「ナチュラル」表示の根拠となるのが一般的です。
しかし、実は「ナチュラル」の定義は、国によって異なります。
今回は、米国やEUで「ナチュラル」と表示する場合についての定義について紹介します。
米国の場合・・・
米国食品医薬品局(FDA)は、「Natural」という用語自体を定義していませんが、食品表示に使用する場合の方針は定められていて、食品に「人工合成物質」が加えられていると、「ナチュラル」とラベル付けできません。
また、天然でも人工でも、着色料を入れてしまったら「ナチュラル」とはなりません。
EUの場合・・・
特定の製品に「ナチュラル」の表示を使用する際の具体的な規制があります。
例えば、フレーバーに「ナチュラル」と表示する場合、野菜、動物または微生物が原料で、すりつぶす、きざむなど物理的な加工、発酵などの酵素を使った加工、微生物を使って加工して得られるものに限られます。
米国もEUも、サプリメントにおける「ナチュラル」という言葉についての規制や定義はありません。
FDAは、栄養補助食品を食品のサブセットとして扱い、1994年の栄養補助食品健康および教育法(DSHEA)に基づき、従来の食品とは別に規制されています。栄養補助食品の場合、市場に出す前に安全性や有効性についてFDAの承認を受ける必要はありません。
EUは、栄養補助食品を食物として扱っており、追加の対象となる指令2002/46 / ECは、食品補助食品中のビタミンやミネラルの許容範囲を概説しています。しかし、実際の規制は加盟国によって異なるため、結果的にEU全体で大きく変わります。
米国の場合・・・
化粧品は連邦食品医薬品化粧品法の下でFDAによって規制されています。現在のところ、化粧品の「自然」に関する規定はありませんが、明らかに誤った表示をしてはいけないことになっています。
連邦取引委員会では、根拠のない「100%ナチュラル」または「オールナチュラル」の主張をしている企業を罰する提案がなされました。
EUの場合・・・
パーソナルケア産業、化粧品産業で「ナチュラル」の定義を統一していません。米国と同様に、表示が本物であり、本質的に誤解を招くものではないという一般的な要件のみが存在します。
こうした主張に関する規制ガイダンスがないため、業界ではそれぞれ独自の方法で「ナチュラル」を確認する第三者認証が登場しました。
上記のように、「ナチュラル」の定義が統一されていないため、企業が自社で「ナチュラル」が何を意味するのかを明確にし、それを検証することが重要になってきました。
「ナチュラル」を定義する際の現在最も一般的な方法の一つに天然由来証明試験があります。C14(放射性炭素)天然由来証明試験は、製品が植物由来か石油化学由来であるかを検証する方法です。生物(最近まで生きていた生物も含む)は弱い放射性炭素を放出していますが、石油化学物質は放射性炭素をすべて放出し切っており、物質中に含んでいません。ですので、の放射性炭素を測定することにより、石油化学由来の物質が存在しないことが証明されるのです。
マイアミに本社を置くBeta Analyticは、国際標準規格ISO 16620-2またはASTM D6866に従って、高品質のC14測定試験を短期間で提供する天然由来証明試験期間です。結果はサンプル受領後4-7営業日でご報告。結果はオンラインで24時間いつでもアクセスできます。
・各国で「ナチュラル」の定義は違う
・製品が本当に「ナチュラル」だと主張する根拠を示すことが、今後製品の差別化につながる
・Beta Analyticで製品が天然由来であると証明する試験ができる
お問い合わせは、info@betalabservices.comまたは日本の総代理店株式会社地球科学研究所までお問い合わせください。
<参考>
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